
茨城県猿島郡境町。創業100年を超える白石段ボール工業株式会社で、インドネシア出身の2人が製函と袋掛けを担っています。同社にとって、初めての外国人材の受け入れです。
2人のうち1人は、かつて技能実習で段ボールづくりを覚え、一度帰国し、日本語教師を経て、もう一度この業界に戻ってきました。2026年9月9日に工場を訪ね、2人にはあわせてアンケートに答えてもらいました。この記事は、その回答をもとにまとめたものです。
ムクラス・メナ さん
MUKLAS MENA
- 出身
- インドネシア・チラチャプ
- 年齢
- 33歳
- 来日
- 2024年7月
- 担当
- 製函・シート運搬
- 在留資格
- 特定技能1号
エディ さん
EDI
- 年齢
- 26歳
- 来日
- 2018年12月(技能実習)
- 担当
- 製函・袋掛け
- 在留資格
- 特定技能1号
- 資格
- 随時3級 紙器・段ボール箱製造技能士(2021年)
「箱をつくる仕事」を選んだ理由
日本で働ける仕事はいくつもあります。そのなかで2人が段ボールを選んだのは、偶然ではありませんでした。ムクラスさんはインドネシアで包装資材メーカーに勤めた経験があり、エディさんは技能実習で4年近く段ボールをつくっていました。日本で働く理由には、2人とも「家族のため」を挙げています。
段ボールづくりの経験があったからです。
ムクラス・メナ さん(インドネシア語の回答を翻訳)
いま持っている経験に合っているからです。
エディ さん
技能実習で身につけた技術を、帰国後も手放さなかった。エディさんが同じ業界に戻ってきたのは、その経験をいちばん活かせる場所だったからです。


来る前の心配と、来てみてからのこと
アンケートでは、来日前の不安を「日本語」「仕事の難しさ」「人間関係」「食べもの」「お祈りの場所と時間」など9つの選択肢から選んでもらい、実際に来てみてどうだったかも3段階で答えてもらいました。
| ムクラスさん | エディさん | |
|---|---|---|
| 来る前の心配 | とくになかった | とくになかった |
| 来てみてどうか | 思ったより よかった | だいたい 思ったとおり |
2人とも、日本で働くのはこの会社が初めてではありません。そのうえで、ムクラスさんは「思ったよりよかった」と答えています。
できるようになったこと
仕事では、日本人と肩を並べてやれるようになりました。
ムクラス・メナ さん(インドネシア語の回答を翻訳)
色々な仕事をやらせてくれたので、自信ができました。
エディ さん
先輩の教え方で、いちばん助かったこと
ここは、これから外国人材を受け入れる会社にとって、いちばん参考になる部分です。「ゆっくり話す」「絵や写真で見せる」「まずやってみせる」「翻訳アプリ」「やさしい日本語」「同じ国の先輩が教える」「何回でも教えてくれる」──どれが効いたのかを、本人に選んでもらいました。
| ムクラスさん | エディさん | |
|---|---|---|
| わかりやすかった教え方 | やさしい日本語で話してくれる | ゆっくり話してくれる まず やってみせてくれる |
| 安全教育 | だいたい十分 | だいたい十分 |
特別な道具や仕組みはいりません。ことばを易しくして、ゆっくり話し、まず手本を見せる。日本人の先輩たちのこうした心がけが、2人に効いていました。
この会社の、いちばんいいところ
社長がいいです。
ムクラス・メナ さん
休みが多い。
エディ さん

これから、日本でやりたいこと
2人とも「家族を日本に呼びたい」を選びました。エディさんはさらに、特定技能2号、日本での長期の生活、資格・検定の取得も目標に挙げています。短期で稼いで帰るのではなく、この会社で長く働くつもりでいます。
これから日本に来る人へ
がんばってください。会社のこと、日本の文化やルールのこと、何でも学ぶ気持ちを持って来てください。
ムクラス・メナ さん(インドネシア語の回答を翻訳)
ちゃんと日本語を勉強して、日本に来てください。
エディ さん
外国人の採用に、迷っている社長さんへ
外国人を採用することを、ためらわないでください。
私たちは覚悟を決めて日本に来ています。
採用してくれた会社に、自分の夢を託しているんです。
ムクラス・メナ さん(インドネシア語の回答を翻訳)
外国人でも、ちゃんと仕事のやり方を教えてあげれば、
ちゃんと仕事ができるようになります。
エディ さん
白石段ボール工業株式会社
| 事業内容 | 段ボール箱・化粧箱の製造。オーダーメイドを主体にした多品種生産。 |
|---|---|
| 創業 | 100年超 |
| 所在地 | 茨城県猿島郡境町(境町工業団地) |
| 従業員数 | 29名(うち外国籍 3名) |
| 外国人材の受け入れ | 2026年開始(今回の2名が初めて) |

富士協同組合がやっていること
受け入れて終わりではなく、入国後も組合の担当者が定期的に訪問し、本人と会社の両方から話を聞いています。生活で困ったときの相談先に、2人とも組合の担当者を挙げました。担当者と話す頻度は、2人とも「月に1回以上」です。
- 定期訪問と面談担当者が事業所を訪問し、本人と1対1で話します。
- 生活のサポート役所の手続き、病院、住まいのことなど、日本語が要る場面に同行します。
- 資格取得の支援技能検定の申込みと事前準備。エディさんは随時3級を取得しています。
当組合は監理団体(許可番号 許1904000061)、登録支援機関(20登-005125)、有料職業紹介事業者(11-ユ-301303)として、技能実習と特定技能の双方をお手伝いしています。
富士協同組合 理事 長澤