【2026年8月31日】外国人材ニュースまとめ|技能実習「認定取消し」8者を厚労省が公表——育成就労移行を控えた受入れ企業・監理団体がいま点検すべきコンプライアンス(賃金・労働時間・計画との整合)
厚生労働省は2026年8月26日、技能実習法に基づく行政処分として、実習実施者8者の技能実習計画の認定を取り消したと公表しました(法人・個人事業主を含む)。認定取消しは技能実習法上もっとも重い処分のひとつで、受入れ現場に直接の影響が出ます。育成就労制度への移行(2027年4月施行)を目前に控えたいま、受入れ企業・監理団体にとっては「自社は大丈夫か」を点検する好機です。企業目線で要点を整理します。
何が起きたのか
今回の処分は、技能実習計画の認定取消しです。認定が取り消されると、対象の技能実習は継続できなくなり、在留資格の基礎を失います。厚労省の公表資料には対象8者の名称と、それぞれの取消し事由が別紙(別紙1〜8)として掲載されています。処分は厚労省・出入国在留管理庁と外国人技能実習機構(OTIT)が連携して行うもので、定期・臨時の実地検査や申告・通報を端緒に発覚するのが通例です。
認定取消しになる主な事由
技能実習法で認定取消しの対象となるのは、主に次のような不正行為です。実務担当者はまず「自社の現場でこれらが起きていないか」を確認してください。
- 労働関係法令違反:賃金・割増賃金の不払い、長時間労働、労働時間の未管理、安全衛生上の違反など。
- 技能実習計画との相違:認定を受けた計画と異なる作業に従事させる、配属先が違う、といった「計画外の就労」。
- 人権侵害・不当な管理:暴行・脅迫、旅券や在留カードの取上げ、私生活の不当な制限、強制帰国など。
- 虚偽・名義貸し等:申請書類の虚偽記載、実態のない受入れ、監理団体の関与不備。
これらは育成就労制度でも引き続き「取消し・許可取消し」の対象になる見込みで、認定取消しを受けた事実は、その後の受入れ(在留諸申請の審査や育成就労への移行)にも不利に働きます。
育成就労への移行を控えたいまこそ点検を
2027年4月の育成就労施行に向け、OTITでは2026年9月1日から育成就労計画の認定・監理支援機関許可の「施行日前申請」の受付が始まります(郵送での提出)。移行の入口となる申請では、これまでの受入れ実績やコンプライアンス体制も見られます。過去の不備を放置したまま移行手続きに入ると、審査でつまずくおそれがあります。処分事例が出たこのタイミングで、賃金・労働時間・配属実態・書類の整合を自主点検しておくことをおすすめします。
企業の実務ポイント(今すぐ確認すること)
- 対象/確認主体:技能実習生・特定技能・育成就労(予定)の受入れ企業、監理団体・登録支援機関・監理支援機関の実務担当者。
- 賃金の点検:最低賃金の改定(2026年10月発効予定)を織り込んだ時給か、割増賃金・深夜・休日手当の計算に漏れがないかを給与計算前に再確認する。
- 労働時間の管理:時間外・休日労働が36協定の範囲内か、客観的な労働時間記録(タイムカード等)を残しているかを確認する。
- 計画との整合:認定を受けた技能実習計画・作業内容・配属先と、実際の就労実態が一致しているかを現場ごとに突合する。
- 書類・在留手続き:雇用契約書、健康診断票、届出書類が最新様式・記載内容で整っているか、旅券・在留カードを本人が保管しているかを確認する。
- 育成就労移行の準備:施行日前申請(2026年9月1日受付開始・郵送のみ)に向け、受入れ体制とコンプライアンス記録を早めに整える。過去に指導・是正を受けた事項は解消済みかを確認する。
- 一次情報の確認:処分の詳細(対象8者・取消し事由)は厚生労働省の公表資料で確認する。
【出典】厚生労働省「技能実習法に基づく行政処分等を行いました」(2026年8月26日公表)/外国人技能実習機構(OTIT)育成就労制度・施行日前申請のご案内(2026年8月)。本記事は受入れ企業・監理団体の実務担当者向けに、公表資料をもとに要点を整理したものです。個別事案の詳細は必ず一次情報をご確認ください。