求職者の方はこちら 無料相談

ニュース

【2026年8月5日】外国人材ニュースまとめ|帰国前に必ず確認「年金の脱退一時金」/いまの上限は5年分・将来8年へ・請求は帰国後2年以内

日本で働いたあと、いつか母国へ帰る予定の人へ。あなたが給料から毎月引かれてきた「年金(厚生年金・国民年金)」は、帰国するときに一部がお金として戻ってくることがあります。これが脱退一時金(だったいいちじきん)です。ただし「請求できる期限」と「手続きの順番」を知らないと、まるごと受け取れなくなることも。今日は、働く本人がいちばん損をしやすいこの制度を、当事者目線で整理します。

【直近動向】計算の上限が「5年分→8年分」へ拡大予定(ただし今はまだ5年)

2025年に成立した年金制度の改正で、脱退一時金の計算に使える加入期間の上限を、これまでの60か月(5年)から96か月(8年)へ引き上げることが決まりました。背景には、2027年4月に始まる「育成就労(3年)」と、そのあとの「特定技能1号(最長5年)」を合わせると最長8年日本で働く人が増える、という見通しがあります。長く働いた分がきちんと反映されるようにする改正です。

ただし注意点があります。この「8年への拡大」は施行日がまだ決まっていません。実際にいつから8年になるかは、今後の政令で定められる予定です。2026年8月時点の上限は、まだ5年(60か月)のままです。「もう8年分もらえる」と思って帰国日や計算を勘違いしないよう気をつけてください。最新の上限は、帰国前に日本年金機構で必ず確認しましょう。

そもそも「脱退一時金」とは?

日本の年金は、原則10年以上加入しないと老後の年金を受け取れません。短い期間しか日本にいない外国人の多くは、そのままだと「払っただけで戻ってこない」ことになってしまいます。それを補うため、日本を離れて帰国する外国人に、払った保険料の一部をまとめて返すのが脱退一時金です。厚生年金(会社員として働いた人)と国民年金(自分で払っていた人)のどちらにもあります。

あなたは請求できる?(3つの条件)

次の3つをすべて満たすと請求できます。
(1)日本国籍がないこと。
(2)厚生年金または国民年金に合計6か月以上加入していたこと。
(3)年金の老齢給付を受ける権利(受給資格)を持っていないこと。
そして日本に住所がなくなった(=帰国して住民票を抜いた)状態で請求します。

いちばん大事:請求は「日本を出てから2年以内」

脱退一時金には期限があります。日本に住所がなくなった日(原則、転出=出国した日)から2年以内に請求しないと、権利がなくなります。帰国後の生活が落ち着かないまま2年はあっという間です。帰国前から書類を準備しておくのが安全です。

手続きの流れ

(1) 帰国前に、市区町村の役所で転出届を出す(住民票を抜く)。マイナンバーカードや在留カードの手続きもこのとき確認。
(2) 帰国後(または出国前でも準備可)に、脱退一時金請求書を日本年金機構へ郵送する。
(3) 審査のあと、指定した銀行口座へ振り込まれます。海外の口座も指定できます。

お金の注意:20.42%が税金で引かれる。でも一部は取り戻せる

厚生年金の脱退一時金には、受け取るときに20.42%の所得税(復興特別所得税を含む)が源泉徴収されます。つまり満額そのままではありません。ただし、これは取り戻せる場合があります。帰国前に「納税管理人(あなたの代わりに日本で税の手続きをする人)」を決めて税務署に届け出ておくと、帰国後に「退職所得の選択課税」という方法で確定申告(還付申告)ができ、引かれた税金の一部が戻ってくることがあります。信頼できる人や専門家に頼めるなら、帰国前に相談しておくと得です。

要注意:「再入国許可」で出国すると請求できない

また日本に戻る予定で再入国許可(みなし再入国を含む)を使って出国し、住民票を残したままだと、その有効期間中は脱退一時金を請求できません。脱退一時金は「日本での年金加入を完全にやめて帰る人」のための制度だからです。本当に帰国して請求したい場合は、転出届を出して住民票を抜くことが必要です。なお、一度受け取ると、その期間の年金加入記録はリセットされ、将来また日本で働いても通算されない点も覚えておきましょう。

準備しておく書類(チェックリスト)

・脱退一時金請求書
・パスポート(顔写真・氏名・生年月日・在留資格・出国日が分かるページ)の写し
・基礎年金番号が分かるもの(年金手帳・基礎年金番号通知書など)
・振込先の銀行口座が確認できる書類(銀行名・支店・口座番号・本人名義)
・住民票の除票(転出したことが分かるもの)

困ったときの相談窓口

・制度や請求書の書き方:日本年金機構(ねんきんダイヤルや各年金事務所。多言語の案内資料もあります)。
・在留・生活全般の多言語相談:外国人在留支援センター(FRESC)ヘルプデスク 0570-011000(平日9:00〜17:00、複数言語対応)。
まずは「自分が2年の期限内かどうか」を早めに確認してください。

やさしい日本語のまとめ

・年金(ねんきん)は、日本(にほん)ではたらく人(ひと)が毎月(まいつき)はらうお金(かね)です。
・国(くに)へ帰(かえ)る人(ひと)は、はらったお金(かね)の一部(いちぶ)がもどることがあります。これを「脱退一時金(だったいいちじきん)」=帰(かえ)るときにもらえる年金(ねんきん)のお金(かね)と言(い)います。
・もらえる人(ひと):年金(ねんきん)を6か月(ろっかげつ)いじょうはらった、日本(にほん)国籍(こくせき)ではない人(ひと)。
・とても大事(だいじ):日本(にほん)を出(で)てから2年(にねん)の間(あいだ)にもうしこみます。おそくなると、もらえません。
・お金(かね)の計算(けいさん)は、今(いま)は5年(ごねん)ぶんまで。しょうらい8年(はちねん)ぶんになる予定(よてい)ですが、いつからかはまだ決(き)まっていません(2026年8月(はちがつ))。
・お金(かね)から20.42パーセントの税金(ぜいきん)が引(ひ)かれます。帰(かえ)る前(まえ)に「納税管理人(のうぜいかんりにん)」を決(き)めると、あとで少(すこ)しもどることがあります。
・また日本(にほん)に戻(もど)る予定(よてい)で「再入国許可(さいにゅうこくきょか)」を使(つか)って出(で)ると、もらえません。ほんとうに帰(かえ)るときは、市役所(しやくしょ)で転出届(てんしゅつとどけ)(住民票(じゅうみんひょう)をぬく)をします。
・相談(そうだん):外国人在留支援(がいこくじんざいりゅうしえん)センター(FRESC) 電話(でんわ)0570-011000(月〜金(げつ〜きん) 9:00〜17:00)。


【出典】年金制度改正法(2025年成立)による脱退一時金の計算上限見直し(60か月→96か月、施行日は今後の政令で規定)/日本年金機構「脱退一時金の制度」/脱退一時金の受給要件(加入6か月以上)・請求期限(住所喪失日から2年以内)・源泉徴収20.42%・納税管理人による還付・再入国許可との関係に関する各専門家(社会保険労務士・税理士・行政書士)の解説。数字・制度内容は公表資料に基づく。最新の上限や様式は請求前に日本年金機構で必ずご確認ください。