【2026年8月4日】外国人材ニュースまとめ|育成就労で「自分の希望で転職」できるのはいつ?本人意向による転籍の4条件(2027年4月施行)
ポイント:2027年(令和9年)4月1日にスタートする「育成就労制度」では、これまでの技能実習と違い、働く本人の希望で転職(転籍)できる仕組みが新しく入ります。ただし「いつでも自由」ではなく、働いた期間・日本語や技能のレベル・同じ仕事の分野かどうかなど、いくつかの条件があります。出入国在留管理庁が示している制度の枠組みをもとに、育成就労で働く(これから働く)あなた自身にどう関係するのかを整理しました。記事の最後に「やさしい日本語のまとめ」を付けています。
1. なにが変わる? 技能実習は「転職できない」、育成就労は「条件つきでできる」
いまの技能実習は、原則として同じ会社で働き続ける制度で、自分の都合で会社を変える(転職する)ことは基本的にできませんでした。2027年4月に始まる育成就労では、この点が大きく変わり、本人が希望して会社を変える「転籍(てんせき)」が、一定の条件のもとで認められるようになります。育成就労は原則3年間で技能と日本語を身につけ、その後は試験に合格すれば特定技能1号(最長5年)へ、さらに特定技能2号(家族の帯同や在留期間の更新が可能)へと進み、将来の永住にもつながる設計です。
2. 転籍には2つの種類がある
(A)やむを得ない事情による転籍
会社の倒産、あるいは賃金の不払い・パワハラ・暴力・人権侵害など、あなたに責任のない事情があるときの転籍です。これは下で説明する「働いた期間の条件(転籍制限期間)」に関係なく認められる救済のための仕組みです。つらい状況をがまんし続ける必要はありません。
(B)本人の希望(本人意向)による転籍
「もっと良い環境で働きたい」といった自分の希望での転職です。こちらは、次の4つの条件をすべて満たすことが前提になります。
3. 「本人の希望による転籍」に必要な4つの条件
① 同じ業務区分の中であること
転籍できるのは、いまと同じ分野・同じ業務区分の仕事に限られます。まったく違う分野への「乗りかえ」はできません。
② 決められた期間、同じ会社で働いたこと(転籍制限期間)
分野ごとに1年以上2年以下の範囲で「まずは同じ会社で働く期間」が定められます。介護・建設など主要な分野は2年とする案が示されており、そのほかの分野は1年が基本となる見込みです(当分の間の取り扱い)。この期間を過ぎてから、本人の希望による転籍ができます。
③ 技能と日本語のレベルを満たすこと
一定の技能(技能検定基礎級相当など)と、日本語能力A1相当(日本語能力試験N5、またはJFT-Basicなど)を身につけていることが前提です。日ごろの日本語学習が、そのまま「転職できる力」につながります。
④ 決められた窓口を通して仕事を探すこと
転籍のときの仕事紹介は、監理支援機関・外国人育成就労機構・ハローワークを通す形に限られます。民間の職業紹介会社は当分の間は使えません。あやしい「紹介料」を求めるブローカーには注意してください。
4. 育成就労で働く本人が、いまから意識しておきたいこと
制度がスタートするのは2027年4月ですが、今から準備できることがあります。まず日本語の勉強を続けること(N5→N4と積み上げると転籍にも特定技能移行にも有利)。次に、契約書・給与明細・勤務時間などの記録を自分でも残しておくこと。賃金不払いやハラスメントなど困ったことがあれば、下の相談窓口へ早めに連絡してください。
困ったときの相談窓口(無料・多言語対応あり)
・外国人在留支援センター(FRESC)ヘルプデスク:0570-011000(平日)
・外国人技能実習機構(OTIT)母国語相談:技能実習で働く方の相談窓口
・お住まいの地域の労働基準監督署/労働局(残業代・賃金・解雇などの相談)
やさしい 日本語(にほんご)の まとめ
2027年(ねん)4月(がつ)から、あたらしい 制度(せいど)「育成就労(いくせいしゅうろう)」が はじまります。
いままでの「技能実習(ぎのうじっしゅう)」は、じぶんの きぼうで かいしゃを かえることが できませんでした。あたらしい「育成就労」では、じぶんの きぼうで かいしゃを かえること(転籍=てんせき)が できます。でも、じょうけんが あります。
じぶんの きぼうで かいしゃを かえる ときの じょうけん(4つ)
- ① いまと おなじ しごとの しゅるい であること
- ② おなじ かいしゃで 1年(ねん)〜2年 はたらいたこと(しごとの しゅるいで ちがう。かいご・けんせつ などは 2年)
- ③ 日本語(にほんご)N5 ぐらいと、しごとの きほんの ちからが あること
- ④ しごとを さがす ときは、監理支援機関(かんりしえんきかん)・外国人育成就労機構・ハローワークを つかう(あやしい かいしゃ・ブローカーは だめ)
だいじなこと:おかね(きゅうりょう)が はらわれない、たたかれる、いじめ(パワハラ)が あるときは、2年 またなくても かいしゃを かえられます。がまん しないでください。
こまったら でんわ(むりょう・いろいろな ことば):外国人在留支援センター(FRESC) 0570-011000(へいじつ)
ことばの いみ:転籍(てんせき)=はたらく かいしゃを かえること。/在留カード=日本(にほん)に いても よい しょうめいの カード。
※本記事は、出入国在留管理庁が公表している育成就労制度の概要・審議会資料(本人意向による転籍の制限(案)等)をもとに、2027年4月施行に向けた制度の枠組みを整理したものです。各分野の具体的な期間・要件は分野別運用方針や省令で最終的に定められ、今後変更される可能性があります。実際の手続きの際は、監理支援機関や各種相談窓口に最新情報をご確認ください。